プロジェクトの成功率は30%

成功したプロジェクトとは、期限内、予算内でプロジェクト目標を達成して完了したプロジェクトです。プロジェクトの成功率は低いと言われていますが、製造業において定量的に調査した結果が公開される例は極めて少ない現状にあります。情報公開が進んでいる数少ない業界はソフトウェア業界です。

米国の調査機関であるStandish Groupの調査結果によると、下表に見るように、プロジェクトの成功率は2004年で29%です。納期遅延あるいは予算超過で完了したプロジェクトは53%もあり、未完成あるいは破棄されたプロジェクトは18%です。全体の約1/4のプロジェクトは完了しなかったと言えます。

この調査で注目すべき点は、1994年から2004年の10年間で、プロジェクトの成功率が16%から29%へ大きく向上している事実です。また同時に、未完成/破棄が31%から18%へ大きく減少しています。これらの改善効果は、米国PMI(Project Management Institute)が80年代より普及に努めてきたPMBOK(Project Management )標準の導入による定量的なプロジェクトマネジメントへのプロセス革新と、MS-Projectに代表されるプロジェクトマネジメント・ソフトウェアの活用の成果と考えられます。

しかしながら、納期遅延あるいは予算超過で完了したプロジェクトの比率があまり改善されていない現状(53% −> 49% −> 53%)があります。この調査結果は、PMBOK標準やプロジェクトマネジメント・ソフトウェアの導入だけでは成功が確約できない現実を表しています。この現実を打破するために、米国ではTOCに基づくクリティカルチェーン法への関心が高まってきています。

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